TREATの箱山です。
前回のブログでは暑熱順化について、最近ではデバイスによって運動中でも深部温度をモニタリングしながらトレーニングすることができること、深部体温をモニタリングしながら行うヒートトレーニングについてご説明しました。
今回のブログでは、トレーニングゾーンを設定するためのテストとそのトレーニング方法について書いていきます。
ヒート・ランプ・テストでトレーニングゾーンを把握する
パワーではFTPテスト、呼気ガス測定からATを導き出してトレーニングに活用するように深部温度にもヒートトレーニングゾーンというものがあり、そのゾーン内の温度域でトレーニングすることによりヒートトレーニングの効果を受けることができます。
※ヒートトレーニングの効果については前回のブログをご覧ください。
そのヒートトレーニングゾーンを導き出すために行うテストが、ヒート・ランプ・テストです。
バイクで行う方法とランで行う方法がありますが、今回はランで行う方法をご紹介します。
ランで行う場合は、トレッドミルで行い心拍と深部温度を見ながら行います。
ヒート・ランプ・テスト (ラン)
①ウォームアップ後、ペースを5分ごとに上げていく。
②深部温度が38℃まで上がったら、1回目の心拍と速度を記録。
③ペースが1回目から20%落ちたところで、2回目の深部温度と心拍と速度を記録。
たとえば5分/kmから20%ダウンしたペースは、300秒+60秒=360秒で、6分/kmになる。
バイクのテストと同様、この2回目に計測する温度を危険ゾーンの入り口とし、そこから0.3~0.5℃低いところでトレーニングする。
暑熱順化は早い方でおおよそ2週間程度で起こると言われています。
ヒート・ランプ・テストを定期的に行うことで暑熱順化できているのか確認することができます。
また、テスト結果によってトレーニングゾーンもアップデートしていくことができます。
暑熱順化の効果は、ヒートトレーニングを継続しないと失われてしまいます。
夏は暑熱環境でトレーニングするので効果が失われる可能性は少ないですが、秋や冬など寒い時期にもヒートトレーニングを継続していくことで効果を保つことが期待できます。
出典:COREでできるヒートトレーニング https://corebodytemp.jp/heat-training.html
箱山もこのヒート・ランプ・テストを行い、自分のトレーニングゾーンを出しました。
自分の場合は、テスト終了時の深部温度が38.80℃だったためヒートトレーニングゾーンは、38.30~38.50℃ということになります。
ヒートトレーニングを実施する際はこの温度域を参考にトレーニングしていきます。
(テストでは深部温度が上昇しやすいように着込んで行います。)
ヒートトレーニングの実践
ヒート・ランプ・テストで自分のトレーニングゾーンがわかったらそれを元にヒートトレーニングを実施します。
ヒートトレーニング
実施方法としては、バイクやランでCOREを装着した状態で深部温度をモニタリングした状態でトレーニングを行います。
その際に自分のヒートトレーニングゾーンの温度域で45〜90分間トレーニングを行い、これを週に2〜3回行います。
暑熱順化にかかる時間は個人差がありますが、おおよそ2週間で順化してくると言われています。
この週に2〜3回行う前に集中的に週に6〜7回取り組むことでより体の暑熱環境に対する耐性が向上すると言われています。
出典:COREでできるヒートトレーニング https://corebodytemp.jp/heat-training.html
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自分の場合は、1週間のトレーニングの中でも低強度〜中強度で行うリカバリーランの日に深部温度をモニタリングしながらヒートトレーニングを取り入れています。
体感的にですが、深部温度を一定に保つことは難しく感じます。
まだまだ試行錯誤をしながらトレーニングしている段階です。
(高強度トレーニングの際には、深部温度が39℃以上に上がることもあります。
赤い部分は暑熱負荷によりパフォーマンスが下がるとされる温度域です。)
運動強度をコントロールしたり、外部から身体をさまざまな方法で冷却することで上がり過ぎてしまった深部温度を下げたり維持することができると言われています。
次回のブログでは暑熱環境でいかに深部温度を維持したり上げ過ぎずに運動することができるのかという身体の冷却法について書いていきます。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
【参考】