皆さんは”ファルトレク”というトレーニングを聞いたことはありますか?
日本ではあまり馴染みのないトレーニングかもしれませんが、世界的なトップランナーたちは日常的に取り入れているトレーニング方法の一つです。
今回はその”ファルトレク”についてご紹介していきたいと思います。
ファルトレク(fartlek)とは?
ファルトレクは元々スウェーデンで発祥したトレーニングです。
実施方法は、ジョグの中で速く走るペースアップとゆっくり走るペースダウンの時間を交互に繰り返しながら走っていきます。
このファルトレク、実施方法を聞いただけだとインターバルトレーニングとさほど違いが無いように思うかもしれません。
しかし、インターバルトレーニングとの大きな違いはペースのタイム設定を設けない、疾走距離などを決めずに行うというところにあります。
インターバルトレーニングについてはこちらの過去のブログをご覧ください。
”fartlek”は日本語で”スピードゲーム”や”ペースで遊ぶ”などと訳されます。
その名の通り、ペースに変化を持たせつつスピードで遊ぶような感覚で走ることからその名前がつけられたと言われています。
走る前に決めるのはペースアップとペースダウンをそれぞれ何分で走るかとその合計時間だけです。あとは自分の感覚でペースに変化をつけつつ走っていきます。
実施例としては、
(ペースアップ1分+ペースダウン1分)×10 合計20分
(ペースアップ3分+ペースダウン1分)×15 合計60分
などです。
ペースによってはAT値付近の運動強度をペースアップとペースダウンで行き来することで閾値走やインターバルと同じような効果を得ることができると考えられます。
さらにこのファルトレクですが、細かな起伏のある丘陵地や公園、クロカンなどの不整地で行うとペースの変化に加えて起伏があることでトレーニングに変化を加えられます。
トレイルランニングでは登り下りを常にペースの変化がある中走っていきます。普段のトレーニングから起伏のある中でペースに変化をつけつつ走ることでトレイルの中での走りにつながっていくと考えています。
トレイルレースに向けてインターバルトレーニングのようなイメージで取り入れていくこともできると思います。
ここまでファルトレクの実施方法をまとめると、
・ペースアップとペースダウンの時間を決める
・交互に繰り返す回数によって合計時間を決める
・ペースは特に設定せずその時のコンディションによって変化させる
さらにファルトレクのメリットは、
・運動強度によっては閾値走やインターバルと同等の効果を期待できる
・起伏のある場所で行うことでトレーニング効果が高まる
・ペースに変化があるため飽きにくい
実施する際の注意点はペースアップで上げ過ぎてしまい、その後ペースダウンの時にジョグができなくなってしまわないようにコントロールします。
ポイントは常に走りながらペースに変化をつけていくことです。
写真は実際にファルトレクを行った際の一部データです。
この時はペースアップ2分+ペースダウン1分を30分間で行いました。
起伏のある周回コースで行うことでペースアップの時に登りを走ることも下りを走ることもあり、ペースも一定ではないことがわかると思います。
自分のコンディションに合わせて強度を決められるため、オフからトレーニングを再開していく際や、インターバルトレーニングをあまりやったことがない人がその導入として取り入れるのにもおすすめなトレーニングだと思います。
慣れてきたら少し起伏のあるコースや不整地で行うことでトレーニング効果をさらに高めていくことができます。
インターバルトレーニングのようにペースや距離を決める必要がなく、いつものジョギングコースで気軽にはじめられることから比較的取り入れやすいトレーニングなのではないでしょうか?
ぜひご自身のトレーニングにも取り入れてみてください!
最後まで読んでいただきありがとうございました。