TREATの箱山です。
前回のスタッフブログでは約1ヶ月間、ファットアダプテーションに取り組んだ結果、主に安静時の呼気ガス測定の結果からエネルギー代謝がどう変化したのかをご説明しました。
今回は運動時の呼気ガス測定の結果をシェアしていきます。
運動時の脂質、糖質のエネルギー消費量が変化
運動時の測定結果も以前の測定結果と、ファットアダプテーションに約1ヶ月取り組んだ後、2月に測定したものを比べていきます。
下記の図は測定のステージごとの糖質と脂質のエネルギー消費量を出したグラフになります。
上が前回、下が今回の測定結果になります。
グラフの紫色の棒グラフが脂質の消費エネルギー、黄色の棒グラフが糖質のエネルギー消費量をそれぞれ表しています。
赤枠で囲ったところは、今回僕がウルトラマラソンで走ろうと考えている運動強度のあたりの測定結果です。
(11月の測定結果)
(2月の測定結果)
グラフを見ていくと、全体的に黄色の棒グラフの割合が特に運動強度の低いステージで少なくなっているのがわかると思います。
ここからわかることは、運動強度が低いところでは糖質の消費エネルギーを抑え、脂質を主なエネルギーとして使えるように変化しているということになります。
さらに赤枠で囲った今回のレースで走ろうとしている付近の運動強度のところでも糖質の消費カロリーが減少、逆に脂質の消費エネルギーが増加していることがわかります。
次に測定のステージごとに出るアベレージデータの表を見ていきます。
ここではステージごとに糖質と脂質を1分間にどれくらい使えているかの数値を見ていきます。(赤枠で囲った部分)
上の図が前回の測定結果、下の図が今回の測定結果です。
(11月の測定結果)
(2月の測定結果)
赤い線を引いてあるところは今回のレースで走ろうと考えている運動強度付近の測定結果になります。
ここのステージの糖質と脂質の1分間の消費量を見ていくと、
糖質:1.2g/min → 0.7g/min
脂質:0.9g/min → 1.1g/min
と変化しています。
測定中の前回と同じくらいの運動強度での糖質の消費量が減り、脂質の消費量が増えています。
さらに糖質の消費量を見ていくと運動強度が低いステージでは前回と比べると消費量が減少していることがわかります。
今回の測定結果から安静時と同様、ファットアダプテーションに取り組んだ結果、運動時のエネルギー代謝も特に運動強度が低いところや、レースで走ろうと考えている運動強度で脂質優位なものへと変化していることがわかります。
レースで走ろうと考えている運動強度では1時間に消費する糖質量から消費エネルギーを考えると、300kcal → 180kcalに変化しているため約エネルギージェル1本分の消費エネルギーを減らすことができた計算になります。
それは運動時の補給というところで見ていくと、補給食の摂取量を減らすことで胃腸トラブルのリスクを軽減することにつながるのではないかと考えます。
現在もレースに向けてファットアダプテーションを継続中ですので、今回の測定結果からさらにコンディションを仕上げていけるように取り組んでいきたいと思います。
最後まで読んでいただきありがとうございました。