TREATでは呼気ガス分析装置を用いたランニング測定を実施しています。
現在、主に安静時の代謝量を測定するRMR(安静時代謝量)測定、運動時の代謝量を測定するVO2MAX(最大酸素摂取量)測定、AT(無酸素性作業閾値)測定を行っています。
それぞれの測定について説明していきます。
RMR測定について
RMRとは Resting metabolic rateの略で安静時の代謝量を示しています。
RMR測定からわかることは、安静時や運動時以外の普段生活している中でどのくらいエネルギーを消費しているかの指標となります。
またこの測定ではRQ(呼吸商)という指標も算出されます。これは安静時のエネルギー消費で糖質と脂質の割合を表した数値になります。
この数値が0.7に近いほど脂質代謝が優位になり、1.0に近づくほど糖質代謝が優位になります。
つまり、普段生活している中で糖質と脂質のどちらを主なエネルギー源として使っているかを見る値となります。
食事によるアプローチを考えている方や安静時の代謝量を知りたいという方は、このRMR測定が重要になっていきます。
VO2MAX測定・AT測定について
VO2MAX測定・AT測定は運動時の代謝量を測定するもので同じテストプロトコルを使用します。
この測定では、VO2MAX(最大酸素摂取量)、AT値(無酸素性作業閾値)、AeT値(有酸素性作業閾値)と言う指標を算出していきます。
(※最大酸素摂取量はVO2MAX測定のみ)
AT値、AeT値という数値について、運動強度が比較的低い時にはエネルギー源として使用される割合は脂質が多くなります。
エネルギーを産生する時に酸素を必要とすることから有酸素運動と呼ばれています。
体内に蓄えられた脂質をエネルギー源として利用することができるので長時間身体を動かすことができます。
運動をはじめて脂質が利用され始め、その中でも脂質を最も優位にエネルギー源として使用している境界点を有酸素性作業閾値または好気性作業閾値(AeT値)と呼びます。
さらに運動強度が上がっていき、体内に取り込む酸素の供給が追いつかなくなると糖質をエネルギー源として使う割合が増加します。
糖質がエネルギー源としてほぼ100%使用されはじめる境界点のことを無酸素性作業閾値または嫌気性作業閾値(AT値)と呼びます。
酸素摂取量は上昇していきますが、体内で体を動かすのに必要なエネルギーを作り出す際に酸素を必要としないため有酸素運動に対して無酸素運動と呼ばれています。
マラソンペースではこのAT値付近の運動強度で走っていると言われています。
(※AT測定ではこの指標が算出された時点で測定を終了します。)
VO2MAX(最大酸素摂取量)とは1分間に体内に取り込める最大の酸素量を表し、この数値は運動能力の指標としてよく用いられ数値が高いほど有酸素能力が高いと言われています。
VO2MAX測定では最大運動時(オールアウト)まで測定を行います。
運動時の測定では、エネルギー消費の中で糖質と脂質の割合を表すRER(呼吸交換比)という指標も算出されます。
安静時と同様、この数値が0.7に近いほど脂質代謝が優位になり、1.0に近づくほど糖質代謝が優位になります。
この数値とそれぞれの1分間に消費される糖質と脂質の推定量から補給計画を考えていきます。
ランニング測定をすることのメリット
ここまでランニング測定により算出される指標についてご説明しました。
では、このランニング測定を行うことでどんなメリットがあるのでしょうか。
ひとつは運動強度を把握することにあります。
運動強度の増加に伴って心拍数も増加していくことからそれぞれの測定値の心拍数を指標としてトレーニングやレースに応用していくことがあります。
自分が今どのくらいの運動強度で動いているかを把握することはどのくらいのエネルギー消費をしてどの領域の強度で走っているのかを把握することに繋がります。
そうすることで狙ったトレーニング効果を得たり、オーバートレーニングを防ぐことにつながっていきます。
運動強度を把握した上でトレーニングしていくことについて書いたこちらのブログもご覧ください。
(測定値とおおよそのトレーニング内容)
そしてもうひとつはレースでの補給計画を立てやすくなると言う点です。
(運動強度ごとの1時間あたりの消費エネルギーのグラフ)
実際の測定結果を載せていますが、このように運動強度によって消費される糖質と脂質それぞれのカロリー量を算出することができます。
これによってレースで走りたい運動強度では1時間あたりどのくらいのエネルギーを消費しているのかが数値化されます。
そこからどのくらいのカロリーを補給食として摂取しなければいけないのかがわかってきます。
ランニング測定について
現在、TREATのランニング測定では
・RMR測定
・AT測定
・VO2MAX測定
・VO2MAX測定+RMR測定
の4種類のプランをご用意しています。
はじめてランニング測定を受ける際はここまでご説明したさまざまな指標を測定してアドバイスをしていきたいため、VO2MAX測定 + RMR測定をお勧めしております。
トレーニングを積んでいったり、食事によるアプローチを行うことによってこの測定の結果も変化していくため定期的にランニング測定することをお勧めします。
例えばレースに向けてトレーニングを開始する最初の段階で測定し、レース前のタイミングでもう一度測定を行うとその期間のトレーニング効果を可視化したり、レース当日の補給計画を立てる際の目安になります。
2回目以降は自分の目的に沿ったものを選んでいただき、測定されることをお勧めします。
このランニング測定を日頃のトレーニングの強度を明確にすることや、レースでの補給計画を立てる際にぜひご活用ください。
ランニング測定についてご不明な点はスタッフにお尋ねいただくか、下記までご連絡ください。
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電話:042-400-6397
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最後までご覧いただきありがとうございました。