前回のブログでは、指標を用いてトレーニングにどう活用していくのかということをご説明していきました。
今回から数回に分けてそのトレーニングの中でも皆さんも一度は耳にしたことがあるであろう”インターバルトレーニング”についてご説明していこうと思います。
インターバルトレーニングは目的を理解して行うことで多くのトレーニング効果が得られます。
インターバルトレーニングの目的とは
インターバルトレーニングとは、ある一定の速いペースで走る疾走時間とその間の休息時間(リカバリー)を繰り返し行うトレーニングです。
その主な目的は、VO2maxの向上、乳酸処理能力の向上です。
今回は乳酸処理能力の向上というところに注目していきます。
インターバルトレーニングでは心拍数をモニタリングしながら行うことが多いです。
そのなかでも”リカバリーで心拍数をしっかりと落とす”ということがポイントになります。
一定の速いペースで走る疾走時間ではAT値の心拍数を超えるように走ります。
通常、AT値(嫌気性作業閾値)以上の運動強度では体内で乳酸の生成が増加していきます。
乳酸と聞くと疲労物質とイメージする方もいるかもしれませんが、エネルギーとして体内で再利用されることがわかっています。
そこでリカバリーでは必ずAT値以下まで心拍を下げるように意識します。
AT値以下まで運動強度を下げることで、より体内の脂質代謝の回路が回り始めます。乳酸を回収する回路と脂質代謝の回路には共通する部分があるために疾走時間で作り出した乳酸をリカバリーで回収し、再び疾走時間で発生させることを繰り返すことにより、身体で作られた乳酸を回収する能力を高めていくことができます。
インターバルトレーニングを心拍数を見ながら行う際にはこのポイントを抑えることにより、乳酸処理能力の向上につながっていきます。
グラフはインターバルトレーニングを行った際の心拍数の変化です。
山になっている部分が疾走時間でそこでは心拍数が上昇しているのがわかります。ここでしっかりとAT値の心拍数以上にあげることがポイントです。
その後、谷になっている部分ではリカバリーで心拍数を一度しっかりと落としてからリスタートしていることが見てわかると思います。
練習の目的によってインターバルの設定を変えていきますが、基本的なポイントは変わりません。
疾走時間でAT値の心拍数以上に上げて、リカバリーでAT値の心拍数以下に落とすことを繰り返していきます。
今回はインターバルの基本的なポイントをご紹介しました。
様々なレースが中止となっている中でトレーニングの目的を明確にした中で行っていかなければモチベーションにもつながっていきません。
ぜひご自身のトレーニングに活用していただければと思います。
次回はインターバルトレーニングの変数についてご説明していきます。
最後まで読んでいただきありがとうございました。