スタッフの夕子です。
産休をいただいて2ヶ月、出産後約1ヶ月経ちました。
私は妊娠中ランニングやパフォーマンストレーニングを続けましたが、体重の増加をある程度で抑える事ができ、妊娠中にみられる浮腫なども症状はほぼなく、円滑なマタニティーライフでした!
今回は妊娠前と妊娠中の運動量を比較し、産後もレース復帰を目指す女性アスリートの参考になればと思いレポートを書きます。
ただし、妊娠中の運動を必ず推奨しているわけではなく、妊娠中の状態は個人差があるので、医師、助産師に相談のうえ行って下さい。
妊娠中、つわりの時期と臨月以外は助産師の阿部奈津子さんにアドバイスいただきランニングを続けました。(専門的な知識が私の知っている助産師の枠を超えている本当にすごい方です!!)
また自分でも文献等を読み、安全であり子供に負担のかからないように運動を続けました。
今回比較したのは
・レース時期 2018/7〜2019/2
・妊活中 2020/2〜2020/9
・妊娠中 2020/10〜2021/5
の、各時期8ヶ月間の走行距離・TSS・平均心拍・最高心拍を比較しました。
各時期で気をつけていたことは
・レース期間→ピリオダイゼーションにてレースにピークを合わせるようトレーニングを計画
・妊活中→量(距離、時間)はレース期間の1/2程度にし、強度や頻度はレース期間中とほぼ変えず
・妊娠中→心拍はAeT心拍付近(120前後)、ランニング時間60分以内、水分をこまめに摂取、お腹の張りをみる
以上を意識しトレーニングをした結果を1ヶ月毎にまとめグラフにしました。
まずは走行距離
やはりレース期間は他の期間と比べ走行距離は明らかに多かったです。(レース期間でも月間最高400kmしか走ってない・・・これでレース走ってること褒めて下さいw)
妊娠中はつわり期間の3、4ヶ月目はほとんど走れませんでしたが、安定期である6、7、8ヶ月目は100km越える事が出来ました。
次にTSS(トレーニングストレススコア)
妊活中、距離や時間はかなり抑えていましたが、強度はそこまで落としていなかったので、レース期間よりもTSSが高い時期も。
ただ、必要以上に身体に負荷をかけないよう意識していました。
身体も絞っていなかったのでベスト体重のプラス4kg程度ありました。
最後に心拍数
平均心拍も最高心拍もレース期が高い傾向にあるが、妊娠後期になるとどちらも高い傾向が。
心拍をあげるトレーニングはしていなかったが、胎児への血液量を増やすため上がったと思われます。
妊娠が発覚するまで走っていたのに、いきなり全てをストップするのは身体的にも精神的にもストレスに感じました。
走れたことで気分転換にもなり、産後の復帰への不安を減らせました。
また、走っていたことで体重のコントロールが出来、妊娠高血圧症候群などのリスクが減らせたと思います。
初産で出産時間は長かったものの、妊娠中はいたって健康で順調でした。
普段運動していた人は、運動強度や量に気をつけ自分の身体と胎児の状態をみながら運動を継続出来ると思います。
妊娠中の体重や血圧などの健康状態へのプラスの影響はもちろんですが、精神的な部分でもプラスであると感じます。
産後運動への復帰は運動を中止している期間が短い方がスムーズであると思うので、普段運動をしている方はもちろん、競技レベルの高いアスリートはより復帰への不安を少しでも減らすことができるのではないでしょうか。
海外に比べ、日本はまだ産後の復帰にネガティブな印象が私はあります。妊娠、出産でリスタートではなく、あくまでそれは過程で、その先を諦めずに復帰を目指す女性アスリートが日本でも増えてくれると良いなと思います。
<参考文献>
日本臨床スポーツ医学会誌:Vol. 28 No. 1, 2020.
Exercise in Pregnancy A Clinical Review Sports Health. 2015 Nov; 7(6): 527–531.