前回のブログでは、自分の閾値での指標(心拍数)を知った上でそれぞれのトレーニングの目的を理解して行うことが大切とお話ししました。
今回はどのようにトレーニングしていくのかを説明していきます。
伸ばしたい部分を意識してトレーニングする
どんなレースを目標にするかでトレーニングで意識していく部分も変わっていきます。
AeT値の部分を伸ばしたい場合、AeT値付近の心拍数を意識してLSDやジョグを行うことで、身体の中で脂質を代謝する回路を回すことになります。
トレーニングによって、脂質代謝を向上させることで運動強度が上がっていっても消費される脂質の割合が増えていきます。そうすることで糖質の消費を抑えることができ、レースの後半のエネルギー不足を防ぐことにつながります。
また、ロングレースでは補給する際の糖質の量を抑えることができ、胃腸トラブルを防ぐことにもつながります。
AT値の部分を伸ばしたい場合、ペース走やインターバルでAT値の心拍数を意識して行います。AT値が上がると言うことは同じ心拍数の運動強度でもその時の疾走スピードが速くなります。
(同じ心拍数でもペースが速くなるということです)
さらに、AT値の運動強度はおおよそマラソンペースと言われています。
マラソンでサブスリー(1キロ4’15”ペース)を目指すランナーAさん、Bさんがいるとします。同じ心拍数170拍/分でAT値を迎えたとしてもその運動強度でのペースがAさん=3’45”/kmなのと、Bさん=4’10”/kmなのではエネルギー代謝の側面からみると大きな差があることがわかると思います。
3’45”/kmでAT値を迎えているAさんの方が目標ペース(4’15”/km)に対してエネルギー代謝の側面からみた時に余力があるため、糖質の消費を極力抑えることができ、最後まで押し切ることができる可能性は高くなります。
必ずしも数値が結果に直結するかと言うとそうではないですがトレーニングの強度を決める際の指標となることは間違いありません。
ここまでで、指標がなぜ大切なのか、それを活用したトレーニングによってどんなメリットがあるのかをご説明してきました。
ご自身のトレーニングを見直すきっかけになっていただけたら嬉しいです。
次回は、インターバルトレーニングについて実施方法や行う際のポイントについてご説明していきます。
最後まで読んでいただきありがとうございました。